Book:パリジェンヌの薬箱
- mayumi

- 2020年2月28日
- 読了時間: 5分

著者:神津 まり江 フリーランスのエディター・ライター。雑誌「婦人画報」にて美容・健康担当を務めた後、独立。自然療法の治療院を営む母の元、病院や一般薬に頼らず育つ。日々フィトテラピーを実践しながら、女性誌やガーデニング誌で記事制作に携わる。
自然の力を借りて、不調を軽くする
事は身体に優しく、インドのアーユルヴェーダでも取り入れられています。
インドのハーブとは少し異なりますが、
日常に取り入れたいてみたいものばかりです。
フィトテラピーのアプローチ法は、「飲む」「塗る」「香る」この3つ
①ティザンヌ
植物を乾燥させて刻んだもの。
湯で煮出したり浸出させて飲用、湿布にも使う。
分量の目安はカップ1杯にティースプーン2杯。
沸騰したお湯に入れて火を止めて5〜10分。
開封後は冷凍保存がおすすめ。
②タンチュメール
植物をアルコールやグリセリンに浸け、成分を抽出したもので、
コップ1杯の水にティースプーン1杯混ぜて飲む。
開封後は常温、夏場は冷蔵庫へ。使う時はボトルを振ってから。
③錠剤
エッセンシャルオイルや植物オイル、パウダーなど、そのままでは飲みにくい
ものをジェルカプセルに封入したもの。
④エッセンシャルオイル
植物を蒸留し、芳香成分を抽出したもの。
他に比べて高価で、体への作用も強い。
特に飲用には注意が必要。
開封後もしっかり蓋を閉めれば常温で3年ほど保存可能。
⑤クリーム、バーム
基剤にタンチュメールやエッセンシャルオイルを混ぜたもの。
傷やアトピー、関節痛のケアなどにも使われる。
⑥ジェモ
植物の成長のための栄養分の宝庫、新芽や蕾から成分を抽出。
即効性があって効果も高く、パリで注目の剤型。
作用が強いので、症状に合う植物のジェモを1-2週間使って改善の底上げをし、
その後、同じ植物のティザンヌやタンチュメールに切り替えるのが主流。
グラス1杯の水に数滴混ぜて飲む。
⑦パウダー
エッセンシャルオイルを作る時に出来る蒸留水。
作用が穏やかなので、敏感肌の人や赤ちゃんに使える。
〜フランス一般家庭の常備薬ハーブ〜
風邪対策
タイム (Thym):5分ほど浸出して風邪予防に、10分ほど煎じれば肺を強化して
咳や喉の痛みを和らげ、体を温めて風邪からの回復を早めてくれる。
妊娠中は使用不可。
【女性ホルモン】
・生理不順:フランボワジエのタンチュメール
・生理前便秘:バーデイン、ルバーブのタンチュメール
・生理痛:濃く煎じたカレンデュラのティザンヌ
・不定愁訴:ほてり、イライラ、冷え、不眠などのホルモンバランスの乱れに起こる
全ての症状には、クローバー、チェストベリーのティザンヌ
【睡眠】
・寝つきが悪い:バレリアン、ジュニパー、サンザシ、パッションフラワーのタンチュメール
・眠りが浅い:グリフォニア、カリフォルニアポピーのタンチュメール
・中途覚醒:カリフォルニアパピーとバレリアンのタンチュメール
本の中ではパリジェンヌ8人の生活が紹介されていて、
その中でも特に素敵だなと思った、フェリシ・ビエ (Felici Billet) さん
の生活で使うハーブについてまとめました。
フェリシさんは、10代からインドやパキスタンを旅して、NYでアートの哲学を学んだ後、
自然療法士のディプロマを取得したそうです。
◼️良く使うハーブ
エッセンシャルオイル:ローズ、ヨーロッパアカマツ、ティートリー
ティザンヌ:ローズマリー
その他:カシスとヒッポファン、シトロンのジェモ、アロエベラ
◼️日常の習慣
病気になりにくい体を作る第一は食、その次に運動、リラックス、メディテーション、
マッサージと続き、それをサポートするものとしてフィトを使う。
運動を抜きにして健康でいられることは難しい。
ヨガは運動というより、心と体のチューニング。
心にあわだかまりがあると、いつも難なくとれるポーズが出来なかったりすることもある。
瞑想も大切で、自分の影の部分と向き合う作業。
肌を通して心を整えるために、マッサージを取り入れている。
毎朝ローズのエッセンシャルオイルを胸のチャクラにつけてマッサージ。
香りが大好きで心臓のケアと顔色を明るくする効果がある。
甘いものを食べた日は、腰の腎臓辺りにセイヨウアカマツのオイルをつけて
トントンと叩く。
普段の体作りがあるからこそ、フィトが効果を発揮してくれる。
★女性が取り入れたいハーブのまとめ
【ティザンヌ (Tisane)】
・赤ぶどうの葉 (Vigne rouge):血液循環と抗酸化をサポート
赤ワインの100倍以上のポリフェノールを含む。
冷えのケア、子宮の大敵・骨盤の鬱血対策にも。
・ダンディライオン (タンポポの根):体のエネルギー源、糖代謝に働きかける。
肝臓と腸をサポートすることで糖代謝を高めたり、血液を綺麗にする作用がある。
・ラズベリーリーフ (Framboisier):女性の心の要、子宮を大切にするために
血液の代謝を高めつつ、子宮の働きを整えてくれる。
ヨーロッパでは出産準備の妊婦にすすめるハーブ。
・チェストベリー (Gattilier):女性ホルモンのひとつプロゲステロン作用を持ち、
中枢神経に直接働きかけてホルモンを整える。
・メリッサ:心の揺らぎを無理なく最小限に留めてくれる
鎮静と高揚両方の作用を持ち、喪失感に対して明るさを取り戻させてくれる。
【タンチュメール (Teinture)】
・メリッサ:一生備えておきたい
落ち込みや不安な気持ちを、心をふわっと持ち上げてくれる。
・バレリアン:心地良く深い眠りへ誘う、眠りの質を高めてくれる。
・セントジョワーズ:心に明るさを取り戻す
転職や離婚、身近な人の喪失など、人生の変化を前向きに受け取る力が欲しい時に。
【エッセンシャルオイル (Huile essentielle)】
・ローズ:幸福感とともに肯定的な感情を抱かせる
香りの美しさはもちろん、美容面での効果も素晴らしい。
・サンダルウッド:心に静寂をもたらしセクシャリティを高める
女性ホルモンが減っていく時期に。
・パチュリ:無気力感を払いのけバランスをもたらす
揺れ動く感情をちょうどいいところに整える。
セクシャリティを高める作用はサンダルウッド以上とも。
・イランイラン:心と体を緩め、喜びの感情をもたらす
女性ホルモンと脈拍を整える作用がある。
・ネロリ:心のわだかまりを手放し女性性を解放
ホルモン調整作用もさることながら、内に潜む女性性を解き放つ力。
・クラリセージ:女性ホルモンを整え、心に安らかさを取り戻す
エストロゲンの作用を持つ。
生理痛や少量月経の予防の他、神経を張り詰めているな、と感じた時。
・ベチパー:雑念を取り払って深い鎮静へ導く
考えすぎている時、何もかも忘れて真っ白に。
心にバランスを取り戻し、セクシャルな気持ちを高める。



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