ヨガスートラの教え:5つの苦悩
- mayumi

- 2024年4月6日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年4月15日

ヨガスートラとは・・
紀元後2-5世紀に
聖者パタンジャリによって記された、
ヨガに関する教えが詰まった1-195の詩(スートラ)で出来た経典です。
ヨガの定義、目的、ゴールまでを
迷わず進めるようにしてくれる手引書
のようなものです。
主に以下4つの章で分かれています。
1章:ヨガとは何?その目的は?
2章:効率的なヨガの練習方法
3章:瞑想について
4章:瞑想とヨガを深めた時に至る最終境地
ヨガスートラに関しては、現在たくさんの本が出ており、
著者によって経験談を入れたり解釈が違ったりはしますが、
大切なベースは同じです。
私は、ヨガスートラを3冊違う著者のものを繰返し読んでいます。
違う著者のスートラの同じ節を見比べて、
自分の解釈を加えて、どう感じるかじっくり味わっています。
ただ読むだけでなく、自分の中に落とし込むことが一番大切です。
以前紹介したヨガ八支則などもそうですが、
実践しないことには単なる知識のままで忘れ去ってしまいます。
そこを知恵として、日常生活に落とし込むことで、人生が変わってきます。
あと、このヨガの知恵を周りにシェアすることで、
更に自分へのインプットが底上げされる気がします。
身内や友人、何か悩んでいる人へ、
ヨガの知恵をシェアし広めていけると世界も変わって来ると思います。
ヨガスートラの知恵を少しシェアさせていただきます!
ヨガスートラでは人間の苦悩(クレーシャ)の種は5つあるとされています。
① 無知 (アヴィッディヤー):自分の真実を知らないこと
私たちの真実は、喜び、幸せの意味で、
今ここにある確かな存在です。
人間の本質は満ち足りている源、
本来何も欠けることない完全な存在です。
真の自己は愛と全体性によって成り立っています。
すべての苦悩は自分の真実を知らない無知から生まれます。
自分を知らないということは、
この世で唯一の真実を知らないという最大の無知となります。
② 自我 (アスミタ):自分のこだわり、自意識
身体、感覚、心は、世界を経験し、
学ぶために預かった道具です。
本当の自分とは、
この道具を使って世界の変化を観る存在です。
道具は変化し続けますが、
自分自身の本質(真我)は変わることはありません。
道具と道具を使う存在を混同し、
同一化してしまうことが苦悩につながります。
過剰な自意識を手放しましょう。
外部のあらゆるものに反応してしまう癖を手放しましょう。
③ 欲望 (ラーガ):執着、偏愛
望みや希望を持つことは大切なことです。
ただ、望みが強すぎると執着が生まれ、
執着から罪や嘘、暴力的な行為になってしまうこともあります。
強いラーガ(激しい欲望)となり、
苦しみ、悲しみ、怒りをもたらす原因になります。
④ 嫌悪 (ドヴェ-シャ):憎しみ
苦悩はすべて心、考えの動きが作り出しています。
あるがままの本当のことをみず、
あるはずのないことをみてしまう心の動きが苦悩をもたらします。
過去の記憶に本当はなかったはずの自分だけの感情を上乗せしたり、
自分のこだわった考えから、
好き・嫌いという感情で世界を分け、
記憶と感情から生まれた主観が私たちに苦しみを与えます。
⑤ 死への恐怖 (アビニヴェーシャハ):失うことへの恐れ
生物は様々な生死を繰り返し、
飢えや渇き、死への恐れ、失うこと、
沢山の恐怖を体験し潜在的な記憶(サンスカーラ)となって
恐れを持って生まれてきてます。
肉体は毎日変わり、やがて土に帰ります。
生まれた以上、変化と死を避けることはできません。
ありのままの自然の法則、
すべてを与え続け、私たちを生かしている秩序を知ること。
そして、
本来何も失うものなどない自分の真実を知ることで恐れから解放されます。

◾️苦悩から自由になる方法
聖パタンジャリは苦悩を取り除く方法は
”瞑想”だけであると強調しています。
瞑想により”意識”をきれいにしなければ、
今世だけではなく、来世でも苦しむことになると言っています。
①瞑想をする
日常的に瞑想を行うこと、
生活の中に「静寂」を取り入れること。
瞑想を積み重ね、悩み、苦しみは、
自分の心に浮かぶ考えでしかないことに気づきます。
私たちは誰でも、自分の中にある
「真実の知恵」にアクセスすることができます。
聖パタンジャリは、すべての幸せも不幸も、
(今世だけでなく過去世も含め)自分の過去の行動に起因していており、
過去のカルマはすべて、自分のカルマ倉庫に貯まっています。
瞑想が、不幸を運ぶカルマを洗い流す唯一の方法です。
”意識”に貯まった要らないものを瞑想で燃やしましょう。
②自分は何者か?見極める
ヨガの勉強や経典から本来苦悩から自由な自分自身の真実を学びましょう。
ただ読んで終わりということではなく、
そこから日常生活にしっかり落とし込むこと。
何度も繰り返し復習すること、
更にはその学びを周囲へシェアすることで、
自分に落とし込んでいきましょう。
③苦しみを抱え込まずゆだねる
苦しみを大きな自然の原理にゆだね、
流れにまかせてしまいましょう。
宇宙の意志に抗うのではなく、融合する。
あれこれ心配をやめ、今この瞬間に集中します。
世界は起こるべきことだけが起こっています。
その時は苦悩となることでも、
後になってはよかったということもよくあります。
すべてはその時に必要なことが起こるだけ。
抵抗せずに、身をゆだねることで楽になりましょう。
苦悩なしに、本当の自由を手にすることはできません。
無知を脱却することで、人生は最も美しい形で広がっていきます。



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